仕事と主婦業との両立させるために、「時短」あるいは「週4日以下」で働くママクリエイターが増えています。しかし、デザインをはじめとしたクリエイティブな仕事は、こだわり出せばキリがなくいくらでも時間をかけられる上、そもそも残業や休日出勤が当たり前の業務量がある業界でもあります。フルタイムでないクリエイターたちは、限られた時間でどのように仕事をこなしているのでしょうか?時短や週4日以下で働く30歳代、未就学児の子育て中の女性デザイナー3人の“仕事術”をお伝えします。
目次
■Aさん:Webディレクター/パートタイム契約
まずは、WebディレクターのAさん。繁忙期には残業もしますが、通常は6時間、週4日の勤務です。
空いた時間があれば読書しているという勉強家。「クリエイターだって、知識の強化が時短につながる」と力説します。
読んでいるのは、心理学を取り入れたビジネス書が多いというAさん。もちろん、ウェブの技術的な専門書も読みますが、心理学を読むのは「ディレクターというポジション上、誰に、どの仕事を、どのように表現して発注すれば効率的かを考えるのに役立つから」だそうです。
実際に作業をするデザイナーたちは若手が多いため、後輩たちをどうひっぱっていくのか?どのような言葉をかければ思いが伝わるか?を意識しているというAさん。都度、適切なコミュニケーションができれば、確かに時短につながります。
この的確に思いを伝えることはクライアントとの関係構築にも役立ち、総合的に、仕事を効率よく回すことにつながっているようです。
さらに、最近は仕事と子育ての合間を縫って学校にも通い、ワードプレスの構築を学んでいるよう。これも、自らがWebを構築するわけではありませんが、仕事を発注する際に、自身ももっと知識があれば共有が楽に、素早くなると考えてのことだそうです。
書店へ行けば、ビジネス書のコーナーにはアドラー心理学など、心理学ベースの自己啓発本がたくさん並んでいますよね。
クリエイターとて、人間関係は必ずついてまわるもの。コミュニケーション能力も重要な能力のひとつと言えますし、コミュニケーションにおけるロスをどう軽減するかは大事なポイントの1つですね。
■Bさん:Webデザイナー/派遣社員
お次のBさんはWebデザイナー。7時間、週4日勤務の派遣社員です。
仕事を効率よく進めるコツは「決断を早くすること」。
例えば、フォントひとつでも悩み出したらキリがないのが、この仕事。そういった「悩む時間」をなるべく減らし、作業時間を確保します。
構想を練ったりレイアウトを考えるといった大きな悩みがある時には、ある程度時間をかけますが、それも通勤時間中。職場では最大限、手を動かすことに徹するとのことです。
そして、それぞれの作業にあらかじめ時間配分を決め、その中でやりきります。
「ダラダラと仕事しない。意識してこうしているのではなく、限られた時間で仕事するうちに、自然と身に着いたスタイルです。勤務中は、ほかのスタッフたちがおしゃべりに興じていても参加することはありません。寂しいですが、そうやって集中してなんとか、短い時間で仕事を回しているんです」。
また、職場では、Bさんのこの”スタイル”を周囲の人もよく理解してくれているとのこと。
だから「付き合いが悪い」「せっかちだ」等の仕事に関係ないようなマイナス印象を持たれることはなく、チームのメンバーともいい距離感を保てているそうです。
■Cさん:デザイナー/正社員
もう1人のデザイナー、Cさんは時短の正社員です。
ディレクション業務も多い彼女は、遠隔でも情報の共有や更新ができるように、クラウドでデータを主に管理し、LINEやメールで依頼や指示出しをするというデジタル派。
デザインのほか、お客様情報や写真データの保存と更新、書類作成などはウェブ上でできるようにすることで、在宅や移動先でも仕事が可能になっています。
そんなCさんが大いに活用しているのが、スマホ。
例えば、データ保存は「googleドライブ」、外出先でのプリントアウトには「netprint」を使用。上司や同僚とのスケジュール管理は「cybozu Live」です。
ミスを防ぐため手書きの手帳も併用し、それをスマホで写真に写して確認するという手も打っています。
日報や顧客へのメールなどは、iPhoneを使って小一時間かかる通勤時間で済ませ、5分ほどで済むちょっとしたToDoは「リマインダー」に登録して常にiPhone上に表示させておくというワザも。「タウンWi-Fi」という自動で街のフリーWi-Fiにログインできるように設定してあって、パケット代の節約も怠りません。
小さなスキマ時間も無駄にしないCさんの主婦としてのおすすめは、衣類の「掛ける収納」だそうです。
インターネットや書籍などで時短家事としても話題ですが、取り込んだ洗濯物をそのままハンガーにかけた状態でクローゼットへ移す片付け方です。洗濯物を取り込む→たたむ→しまうという時間が節約できます。
いかがでしたでしょうか。
より限られた時間の中で働く場合、普段の業務の中から何かを短縮する、もしくは削らなければいけません。
そのためには、時間の使い方の工夫や自身のスキルアップ、あるいは職場のメンバーの理解・協力など、様々なことが必要となるでしょう。今回ご紹介した3名の働き方もぜひ参考にしてみてください。
<扶養内特集>
【第1回】そもそも扶養とは?10月からどう変わる?
【第2回】どれくらい働くのが得?扶養枠内で働きたいクリエイター必見!
【第3回】インタビュー編~扶養内で働いている女性デザイナーたちに聞きました
【第4回】インタビュー編No.2~扶養内で働いている女性デザイナーたちに聞きました
【第5回】インタビュー編No.3~扶養外で働いている女性デザイナーに聞きました
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