【ママさんクリエイター】派遣社員の育休取得条件が緩和!~改正育児・介護休業法が施行されました

子育て・介護と仕事をより両立しやすくなるように育児・介護休業法が改正・施行されました。子育て中のクリエイターさんにとって関心が高いであろう、育児休業(育休)や時短勤務などについて定めた法律です。「正社員じゃないし関係ない・・・」なんて思っていませんか?同じ雇用主のもとで1年以上続けて働いていて、子どもが1歳6か月になるまでに契約がなくなることが明確に決まっていなければ、育休が申請できるんですよ!今回は、改正育児・介護休業法のうち、育児関連の支援制度を中心に見てみましょう。

 

そもそも、育児休業とは?どう緩和された?

いわゆる「育休」。原則として1歳未満の子を養育するためにする休業を指します。
産休は女性のみが取得できますが、育休は男女ともに取得できます。最近は、男性の育休取得率を上げようと、国が経済界に働きかけていますね。

「正社員じゃないと育休という恩恵は受けられないのでは?」
そんな風に思い込んでいる方もいるでしょう。以前はその通りだったのですが、2005年の同法改正で、派遣や契約社員など、期間の定めのある雇用契約の方々もこの制度の対象となりました。それでも、正社員の女性では43%が育休取得後に仕事復帰したのに対し、非正規社員では4%(05~09年、国立社会保障・人口問題研究所調べ:東京新聞2016/9/5より)。そこで、非正規社員がより育休をとりやすいよう、再度、今回の法改正で条件がより緩められたというわけです。

今回の改正により、派遣社員や契約社員など(法律上では「有期契約労働者」と表現されています)で働く人は、育休の申請をする時点で次の2点を満たすことが必要となりました。

a. 同一の事業主に引きつづき1年以上雇用されていること(改正前と変更なし)
b. 子が1歳6か月になる前日までに労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと(改正前:2歳)

なお、改正前は条件の1つとなっていた「子が1歳になった後も雇用継続の見込みがあること」は削除されました。

また、a.については、派遣先が過去1年の間に変わっていたとしても、同じ派遣元に1年以上雇用されているのであれば大丈夫。契約期間が形式的に連続しているかどうかではなく、年末年始や週休日を空けて労働契約が結ばれている場合や、前の契約終了時にすでに次の契約が結ばれている場合などは、雇用関係が「実質的に継続している」と判断されます。ちなみに、産休期間も雇用期間に含まれます。
b.については、「契約期間が満了で終了する」とか「更新しないこと」が育休申請時に確実になっているかどうかがポイントです。

 

看護休暇も緩和されました

小学校入学前の子がいる場合に取得できる休暇。例えば、子どもの病気やけがの看病、予防接種や健康診断を受けさせるための休暇です。
年次有給休暇とは別に、年に5日間(子どもが2人以上の場合は10日間)取得できます。

今回の改正で、半日(所定の労働時間の2分の1)単位から取得できるようになりました(改正前:1日単位)。
病院や病児保育施設へ連れていき、その後は職場に出ることが可能な時などは、半日単位で取得できれば便利になります。
(事業主に継続して雇用された期間が6か月未満、または1週間の所定労働日数が2日以下の場合は、取得が認められないこともあります。)

 

労働時間についての両立支援

未就園や未就学の子を養育中の人は、以下のような措置を請求することができます。
1. 時短勤務か、それに代わるフレックスタイム制、時差出勤など
2. 所定外労働(残業)の制限
3. 時間外労働、深夜業の制限・・・1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはらない。また、午後10時~午前5時までにあたる深夜の労働もさせてはならない。

 

マタハラ防止措置が義務化されました

今回の改正では、育児、介護のいずれについても、ハラスメント防止の措置をとることが事業主に新たに義務付けられたことも大きなポイントです。
これまでも、妊娠を機とした雇い止めなど、妊娠、出産、育休や介護休業などを理由として、働く側に不利な取り扱いを事業主が行うことは「禁止」でした。しかし今回から、そうした「マタハラ」や「パワハラ」、そして「パタハラ」を防止する取り組みを事業主が講じることが「義務」となったのです。
派遣先についても「不利益取扱いの禁止」と「ハラスメント防止措置の義務付け」がなされたことは大きいでしょう。具体的には、マタハラを行えば厳正に対処するという方針を事業主自らがトップダウンで明確に打ち出す、適切に対応できる窓口を整備する、などです。

 

正社員であっても育休から復帰する際には不安やトラブルが多いもの。派遣の方ならなおさらです。派遣元と普段から密にコミュニケーションを取ることはもちろんですが、派遣元によっても子育てや育休に対する温度感が異なります。自分にあった派遣元探しも重要かもしれません。
また、今回の改正では、介護休業や介護休暇の取得がしやすくなったりと、介護面でも大きなポイントがいくつもあります。詳しくは、厚生労働省の発表資料をご確認ください。

<参考>
・厚労省
育児・介護休業法について http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
育児・介護休業法のあらまし http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/32.html
育児休業や介護休業をすることができる有期契約労働者について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/ikuji_h28_11_01.pdf#search=%27%E8%82%B2%E5%85%90%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E4%BC%91%E6%A5%AD%E6%B3%95+%E6%9C%89%E6%9C%9F%E5%A5%91%E7%B4%84%27

・東京新聞2016/9/5 「非正規でも育休取れます」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201609/CK2016090502000166.html

・読売新聞 2017/1/20 「マタハラ防止措置」事業主に義務化
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/plus/kuragetlogy/20170117-OYT8T50082.html

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