前回の解説で触れた抵触日。
これは、派遣先・派遣元、それぞれに「通知義務」があります。
今回はこの「通知義務」について解説します。
■「抵触日」と「通知義務」
旧法では、自由化業務については「抵触日の通知」があったため、自由化業務の派遣を使用されていた企業の方は想像がつきやすいかと思います。
一方、デザイナーなどのクリエイター派遣は専門28業種に分類されており、この専門業種については「抵触日」という概念がなく、そのため「抵触日の通知」という行為も存在しませんでした。
ですので、デザイン制作会社などでは、以前から派遣を使用されていても、「抵触日の通知」は派遣法改正に伴って初めて存在を知ったという方もいらっしゃるはずです。
余談ですが、優クリエイトも同様で、校正など一部業務以外はほとんどが専門28業種に分類されるため、「抵触日」が関わる案件については個別対応という形でイレギュラー的に扱っていました。
そして、この派遣法改正に伴い、業務フローを一新させています。
■「抵触日の通知」って何?
以前の解説で触れた通り、今回、抵触日が2つ発生することになりました。
・事業所単位での派遣受け入れが可能な期間
・個々の派遣スタッフの労働期間(部署単位で満3年まで)
前者は派遣の受け入れは原則3年まで・従業員への意見聴取によって更新ができる抵触日です。
派遣先(派遣スタッフを受け入れする企業側)が管理することになります。
(抵触日の概念は第三回をご参照ください)
後者については、派遣スタッフごとに設定されたもので、派遣元(例えば優クリエイト)が管理する抵触日となります。
原則として、同一の派遣スタッフが就業できるのは、部署単位では満3年までという決まりです。
(詳しい解説は第二回を参照ください)
それぞれの抵触日は、派遣先と派遣元、双方が共有する必要があります。
しかしながら、前述の通り「派遣先が管理する抵触日」と「派遣元が管理する抵触日」と分かれています。
そのため、自身が管理している「抵触日」を相手側に通知する必要があります。
■派遣先から派遣元への通知について
派遣を受け入れする企業から、派遣元である人材会社への通知。
「事業所単位での派遣受け入れが可能な期間」を通知することになります。
ポイントは以下通りです。
・派遣元への通知は「書面」で行う。メールやFAXなどでも可能。
・通知のタイミングは下記
a.派遣契約を結ぶ際
ただし、過去に通知を行っており、その際の「抵触日」から変更がない場合は不要
b.過半数労働組合等への意見聴取により「抵触日」が更新された場合
また、第三回の内容と合わせると、下記のようになります。
・2015年9月30日以降で、部署/業務内容問わず、事業所内で派遣スタッフを受け入れた日が起算日
・2015年9月30日以前より派遣スタッフを受け入れており、その派遣スタッフの契約更新までに新しい派遣スタッフの就業がなかった際は、派遣スタッフの契約更新がされた日が起算日
・下記の図の「★」のタイミングで、派遣会社へ通知を行う
・前回の派遣スタッフの受け入れから3ヶ月以上経過している際は、抵触日の起算日が変わります
特に、デザイナーの単発派遣を利用されている企業はご注意ください。
優クリエイトでは、派遣先からの通知用の書類のフォーマットを用意しております。
データでお渡ししそのままご利用いただくことが可能ですので、必要であればお申し付けください。
また、ご質問の多い「抵触日更新のための意見聴取」の方法については、第三回の記事をご確認ください。
■派遣元から派遣先への通知について
優クリエイトなどの人材会社から、派遣スタッフの受け入れをする企業への通知になります。
派遣先(派遣を受け入れる企業)サイドの対応としては、基本的には確認のみで問題ありません。
─────お気軽にお問合せください!─────