前回、助成金記事で「ふるさとテレワーク推進事業」についてご紹介しました。このテレワーク、最近では「リモートワーク」とも呼ばれる注目の働き方ですが、オフィスの立ち上げに助成金が設定されるように、なかなか企業にとっては一筋縄ではいかない点が多々あるのも事実です。特に導入の懸念材料としてよく挙げられるのが「勤怠管理」と「セキュリティ」の問題です。今回はこの2つについて、注目のサービスにも触れつつ解決のヒントをご紹介したいと思います。
■これで倦怠管理がスムーズに!
リモートワーク導入の懸念材料である倦怠管理。リモートワーカーが本当にちゃんと働いているのか。いかに信頼できる社員とは言え、自己申告する形だけではちょっと心配という方もいらっしゃると思います。
また、申告作業も管理作業も手間がかかるもの。ワークライフバランスのためのリモートワークだったはずが、実作業以外での作業が増えることで、効率よく働くことがかえって難しくなる一因にもなってしまいます。
そこで注目の2つのサービスを紹介します。
・管理者も作業者も安心の業務時間管理ツールF-Chair Plus(エフチェアプラス)
「F-Chair Plus(エフチェアプラス)」は、専用のツールを使い、リモートワーカーの着席、退席などを記録することができます。
また、PCのカメラ機能を使い、ランダムに着席時のキャプチャを自動撮影する機能が付いており、作業者の様子が分かるようになっています。
・バーチャルオフィスとして使うことができるRemotty(リモティ)
「Remotty(リモティ)」は、Web上で仮想的なオフィスを作り、メンバーの在籍確認やコミュニケーションを取っている様子などを確認することができます。
PCのカメラ機能を使い、自動撮影して共有する機能は上記のF-Chair Plusと同様で、さらにチャット機能、オンライン会議ツール連携や掲示板の機能も備わっており、リモートワークを導入する上で必要な機能が集約されているツールといえます。
■セキュリティは? 情報漏えいには十分注意を
・知っておくべき、外部ネットワークの危険性
リモートワークを導入した場合、働く場所の制限がなくなるので、自宅あるいはカフェやコワーキングスペースなどで仕事をするケースも出てくるでしょう。その際、インターネット回線にFreeWi-Fiを利用することだけは避けるよう指導しなくてはいけません。
リモートワークをしている人のPCは、実際に業務・作業をしているPCなので、お客様の情報や顧客リストなどが入っている場合もあります。
FreeWi-Fiを利用することでそれらが抜き取られてしまう恐れが高まります。スタッフの個人的なモバイルルーター、スマートフォンなどのテザリング機能を使った接続についても、安全が確保されているかを確認できないものは基本的には禁止にすべきでしょう。
実際問題として、知識量の差こそあれ「インターネット回線は安全ではない」という認識を持つ方が増えてきています。
ですが、これ以外にも、もしもに備えたルールを決めて徹底させる必要があります。
・自社や取引先企業名の入ったドキュメントは外では作成しない
たとえばプレゼンテーション資料など、自社あるいは取引先企業名、ロゴを使ったドキュメントは外では開かないことが望ましいです。
部署やプロジェクトチーム名、商品名なども同様です。
もしカフェやコワーキングスペースで作業しているときに、オフラインだからあるいはセキュリティ対策万全の回線を使っているからといって油断すると、後ろにいる人にこっそり見られていたり、ということも考えられます。
・VPNの導入
社外からも社内ネットワークにアクセスできるVPN(Virtual Private Network)の導入は、リモートワーク環境を整えると同時に情報漏えい防止対策として有効です。
外にいながらでも社内と同じ環境のネットワークに入ることができるので、作業も非常に便利になります。
■まとめ
リモートワークという働き方は、これからどんどん増えていくでしょう。企業としても、導入していくことが主流になると思います。
Web業界などでは、プロデューサーやディレクターが人員確保のためにフリーランスを利用するケースも多いので、そもそも他の業界よりもリモートワークに対する敷居は低いかもしれません。
しかし、リモートワークを採用する場合には、そのリスクやデメリットをしっかり理解した上で進めて行く必要があります。
よりよい働く環境を目指して、企業も働く人本人もしっかり理解し取り組んでいかなければいけませんね。
筆者/Webライターぴえろ