『中途採用』vs『新卒』デザイナー採用におけるメリット・デメリットは?

『中途採用』vs『新卒』デザイナー採用におけるメリット・デメリットは?

デザイナーやクリエイターを採用する際、現場から見れば「即戦力となる人材を採用して、最初からバリバリ働いてほしい」というのが本音でしょう。しかし、必ずしも経験者採用のほうが企業にとってメリットが大きいとは限りません。場合によっては、まっさらな状態の新卒を採用したほうが長期的な目線で見るとプラスになる、ということも。
今回は、『経験者の中途採用』と『新卒採用』のメリット・デメリット、また採用の際のポイントについて解説します。

 

【1】経験者(即戦力人材)を採用する場合

■メリット
クリエイティブの実務経験者を採用する場合のメリットは、なんといっても即戦力になること
一連のクリエイティブの作業の流れを知っていれば教育における時間も人件費もさほどかかりません。デザイナー職で言えば、PhotoshopやIllustratorの基本操作はまだしも、Photoshopでのしずる感を出した合成やInDesignなどは、人によって経験値がかなり違います。これらのスキルを習得しているうえで入社なのか一から教えるのかはでは、労力が大きく違います。

また、豊富な知識・経験を持つ人材なら、既存メンバーの教育やマネジメントも任せられるでしょう。
その他にも、新メンバーの加入によって社内が活気づけば、既存メンバーのやる気もアップします。特に同スキル程度の社員が増えれば、お互いにライバル意識を持って切磋琢磨し合える環境となり、1人ひとりの仕事のクオリティだけでなく、会社全体の生産性も向上するはずです。

■デメリット
クリエイティブ業界で経験を長く積んできた人材は、既に特定の企業・クライアントのカラーに染まっていることが多いという採用担当者の声をよく見かけます。そういう人を採用した際、自社の企業文化になじみにくい、帰属意識が低いといった懸念が挙げられます。特にクリエイターは、会社よりも制作物に対しての興味関心が強いことが多く、また離職率の高い=転職慣れしやすい職種であるため、この傾向が強いケースが多いです。

また、前職の慣習を持ち込み、融通がきかなくなる人も少なくありません。そうなると優秀でもただの扱いにくい人材となり、既存メンバーとの人間関係に亀裂が生じる可能性もあります。場合によっては、「この会社は肌に合わない」と早期退職してしまうことも・・・。
せっかく高い費用をかけて中途採用を行い、給料の高い社員を雇っても、採算が取れないというケースもあり得ます。

■採用時のポイント
クリエイター経験者採用の際の見極めの注意点は、採用時に、上記のような失敗パターンをしっかり見抜く問いかけをきちんとすることです。
黙々とPCに向かって作業するだけがクリエイターの仕事ではありません。例えばプレゼンスキルや新規開拓のための折衝やコミュニケーションスキルはどうか等、バランスの取れた人材を採用することが、早期退職を未然に防ぐ一番の対応策です。
また、スキルだけでなく、既存メンバーとの相性も十分に検討すべきです。
場合によっては、即入社ではなく、紹介予定派遣といったような”クッション”を設けるのも一つの手でしょう。

 

【2】新卒を採用する場合

■メリット
まっさらな状態の新卒は自社の理念や戦略にコミットさせやすいため、若手人材を採用してしっかりと教育していけば、将来的に企業文化の担い手や会社の中核を担うコア人材として活躍してもらえる可能性が高いのが一番のメリットです。
また、若手人材の投入は、会社全体を活性化させることにもつながります。教育係の先輩社員が「どうすれば新入社員に分かりやすく仕事を教えられるか?」と試行錯誤することで、自分たちの仕事を言語化・視覚化していき、それが既存メンバーの成長を促すからです。

さらに、新卒社員は中途社員に比べて給与やボーナスが低く、また一括採用で1人あたりにかかるコストを下げられるというメリットもあります。安く採用して優秀な人材に育てる、という動きを実現できれば、それが会社にとって大きな利益となることは間違いありません。

■デメリット
新卒は通常、学校の卒業に合わせて4月入社と決まっているため、会社側が「余裕がある8月中に入社させたい」などと思ってもなかなか実現できません。また、新卒採用は中途採用に比べて選考期間が長く、準備期間を含めると1年以上かかるのが普通です。
特にクリエイティブの仕事は「専門職」。体得するまでに時間のかかる業務も多いでしょう。そのため、採用した新卒が
活躍人材に育つまでの研修費も含め、数年間の先行投資期間と見ておく必要があります
し、現場においても『我慢』が必要になります。

■採用時のポイント
新卒クリエイターの採用では、社会人としてのクリエイター経験がないので、ポテンシャルの見極めが重要になります。
どのようにポテンシャルを見極めるかはかなり困難なのですが、2つのポイントをおすすめしています。

ひとつはコミュニケーションをはじめとした人柄。
デザイナーなどであっても、社内外とのコミュニケーションは必須です。それに加え「教育のしやすさ」は、その新卒クリエイターとのコミュニケーションの取りやすさが大きく影響します。「教育のしやすい」新卒クリエイターは、それだけ伸びる可能性が高まります。

もう1点は、大学や専門学校で何を学んできたかです。これをしっかりと確認する必要があるでしょう。
HTMLやCSSの組み方やIllustratorやPhotoshopの使い方などにおいても、美大生と専門学生では習熟具合に差があります、社内でどれだけ教えることができるかとの兼ね合いで検討する必要があります。
また、受けてきたカリキュラムによって、デザインに対する考え方や発想力の差もあり得ます。例えば、好きに作ってみましょうという課題なのか、ターゲットユーザーなどの設定がある場合の課題がメインだったのかでも大きく違います。

 

【3】まとめ

企業側が「優秀な即戦力人材が欲しい」と思うのは、当然のこと。しかし、そもそも転職市場にいる即戦力人材は母数が少ないため、即戦力人材を確保するのはそう簡単なことではありません。
かといって新卒採用には時間も研修コストもかかり、しかも今の若者は少しでも会社に不満があると離脱する可能性も。今の労働者が少ない時代、少しでも業界経験があると転職しやすいため、なおさらです。
会社・社員の状況などを踏まえ、ベターな方法での採用が必要でしょう。

また、例えば、中途経験者採用に比べ手軽かつ低コストで即戦力人材を迎え入れることができるスポットの派遣を活用しながら、新卒を採用してコア人材を育てていく。一見遠回りに見えても、こういうパターンも一つ成功パターンとして考えられます。
あるいは、同様にスポットの派遣で目の前の業務を回しつつ、じっくり厳選して中途採用を進めていくといった方法もあります。
これらのように、複数の手段を用いて採用を進めていくと、よりよい採用ができる可能性が高まります

採用のことは専門の人材会社へ。人材会社の営業(=採用コンサルタント)に、目先の採用だけでなく、5年、10年先までの長期的な採用活動の相談をしてみると、活路が見いだせるかもしれません。ぜひご相談ください。

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